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    心に響く音の世界

    音とは?

    音(おと)とは、弾性的な媒質中を伝播(でんぱ)する波のことで、簡単に言ってしまえば「振動」です。物の響きや人や鳥獣の声、物体の振動が空気などの振動(音波)として伝わって起す聴覚の内容、またはそのもととなる音波を指します。とくに空気中を伝わって聴覚によってとらえられるものだけをいう場合もありますが、音はほとんどの気体、液体、固体中を伝播します。心理学的には聴覚的感覚を「音」と呼ぶため周波数が人間の可聴域にあるもののみを指すします。物理学的には音波そのものを音と呼び超音波や低周波音も含めます。例えば、今、太鼓を叩く場合を考えると、空気の疎密の状態が水面の波のように広がっていきます(疎密波)。すなわち、音の伝播は波の形をとるので、音は物理学的には音波といわれます。音は、音楽的には楽音と噪音にわけられます。音は会話や音楽などいろいろな形態で利用されています。また、他の動物の気配、物の動きなどの周囲の状況、空間構造などを把握するためにも用いられています。 例えば、人間は音の聞こえ方で空間の情報を得ており、コウモリは反響定位で物体の存在を感じているといった具合です。人間が作り出した機械類でも、たとえば船舶には音を用いて地形や魚の存在をさぐる装置(ソナー兼魚群探知機)が、潜水艦には敵艦の存在や海底の地形を探る装置(パッシブソナーやアクティブソナー)が搭載されています。ある音の性質は、大きさ(音圧・SPL)・高さ(周波数)・音色(波形)という音の三要素によって特徴付けられます。例えば、たとえ可聴域の空気振動であっても、特定の周波数の音圧が強いと、その直近の周波数帯で音圧が小さな振動は感じられないのです。つまり、人にとってはその音(感覚の内容)は実際上存在していない、などといったことが起こるのです。それを利用して、その帯域のデータの記録を省略するなどといったことが行われています。こういったことはMP3などの音声データ圧縮技術に利用されています。

    物理学的な音

    物理学においては、音とは物体を通して縦波として伝わる力学的エネルギーの変動のことです。音について研究する物理学の分野は音響学と呼ばれます。音は波動としての特徴(周波数・波長・周期・振幅・速度など)を持つ音波として表現出来ます。

    物理学的な音波

    音波は圧力変動の波動として伝わります。音波を伝える物質は媒質と呼ばれます。ある点での密度の変動を引き起こす音波は圧力変動の波動として伝わります。媒質中の粒子はこの波によって位置を変え、振動するのです。疎密波の場合、密の部分は空気の圧力が高く、疎の部分は低くなっています。そのため、空気中の音波は圧力波であるともいえます。疎密波は媒質を構成する粒子(気体分子など)の運動の方向と波の進む方向が一致している縦波です。気体および液体中の音波は通常は縦波ですが、固体中では縦波のほかに横波も表現できます。

    聴覚について

    音響心理学などで研究されている人間の聴覚の特性は音響心理とよばれています。人間の聴覚が感知できる音を可聴音といい、その振動数と強さにはある範囲があります。正常な人の聴覚は16Hz~2万Hzの間の振動数の音を聞くことができますが、これは年齢・性別・過去に受けた聴覚障害などによってばらつきがあります。大多数の人は10代には既に2万Hzを知覚できず、年齢が上がるにしたがって高い周波数を聴く能力が衰えていきます。 人間の会話のほとんどは 200-8,000 Hz の間で行われ、人間の耳は 1000-3,500 Hz で最も感度が高いのです。聴覚の限界より、これ以上の振動数の音波のことを超音波とよびます。したがって、いくら空気が振動していても、各人にとっては、聞こえない周波数帯については音(聴覚の内容)は存在していないのです。音は聴覚の内容、聴覚によって感覚される内容です。人間や多くの動物は音を聴くのに耳を使い、聴覚器官の聴覚細胞が音によって刺激されることにより音を感じます。ただし、低い周波数の大きな音は体の他の部分を通じて触覚により振動として知覚されます。音の大きさはその圧力または常用対数を用いたデシベル値で表されます。強さに関しては人間が感知できる最小の音圧は20 μPa (音圧レベル 0 dB re 20 μPa)です。音圧レベルが 85 dB を越える音を長期間聴きつづけると、聴覚障害(耳鳴りや難聴など)を引き起こすことがあります。 130 dB では人間の聴覚が限界を越え、危険となるレベルとなり、重篤な痛みや永続的障害の原因となります。

    音の強さと高さ

    音の強さを表す音圧レベルまたは音の強さのレベルは物理学的に決められたもので、感覚的には振動数が異なる音は異なった大きさに聞こえます。感覚的な音量の単位としてフォン(phon)が使われています。この「フォン」は騒音レベルの単位として以前に用いられた「ホン(現在は「デシベル」を使用)」とは別の単位です。このフォン数は1000Hzの純音を基準にとり、その周波数の音に対しては音圧レベルの値をフォン数として用います。他の周波数の音に対しては、経験的かつ標準的な聴覚の感度の補正を行います。1000Hz以下では、振動数の低い音ほど音圧レベルは同じでもフォン数は小さい、すなわち小さく聞こえます。このようにして決めたものを音の大きさのレベルといいます。ただし、音の聞こえ方には個人差、年齢差があり、たとえば加齢とともに高い音が聞きにくくなります。

    音の高さ

    音の高さの感覚は振動数に連動し、振動数が大きくなるほど、高い音に感じます。ただし、振動数が2倍になっても2倍の高さの音とは感じません。そこでメル(mel)とよばれる単位が音の高さの感覚的な尺度として使われています。これは1000Hzの音の高さを1000melと決め、それを基準にして他の振動数の音の高さの感じを経験的に数字で表したものです。すなわち、1000Hz以下ではメルはほぼ振動数に比例し、それ以上ではほぼ振動数の対数に比例しているのです。よって、1000Hz以上では音の高さに対する感覚が鈍くなるのです。二つ以上の振動数の音の混じった複合音の高さは複雑ですが、楽器のように成分音が基音とその倍音からなる場合はその基音の高さの音が聞こえます。これは各成分音の振動数の差が基音の振動数に等しいためといわれています。

    音と民族

    日本はもちろん、世界各地において、音楽は欠かせないものとなっています。特に民族のお祭り、祭儀、儀礼には、打楽器(太鼓、銅鑼(どら)、鈴、鐘など)のハーモニーが多く用いられます。日本の東北地方のイタコは、太鼓、弓、一絃琴(いちげんきん)などを用いています。北アジアのシャーマンも、憑依(ひょうい)状態になるとき、太鼓などの鳴り物を使います。インドネシアのバリ島の祭儀にはガムラン音楽が密接な関係となっています。この祭儀も、神が降臨してくるという意味で、一つの状態から他の状態への移行に結び付いています。台湾のある地域では農耕儀礼の際に、精霊に知らせて作物の実りをよくする意味を込めて銅鑼を鳴らし、太鼓、鐘、鍬(くわ)などを叩きます。このように、儀礼、先祖祭りなど、霊界との交流を図るときに太鼓、鈴、鐘などの打楽器が多く用いられる傾向があるといえます。

    衝撃音

    ロドニー・ニーダムは、霊界との交流と打楽器の衝撃音には深い関連があり、おそらくこれは衝撃音のリズムが人体に与える生理的、心理的効果に由来するものであろうと述べています。アフリカの諸民族でも祭儀のとき、よく太鼓を打ち鳴らしますし、たとえばケニアのディゴは、憑依霊を病人から追い払う儀礼でカヤンバと呼ばれるガチャガチャと衝撃音をたてる楽器を打ち鳴らします。日本の神社においても柏手を打ち、鈴を鳴らします。柏手は足を踏みならす音とともにもっとも原始的な衝撃音です。このように、昔から音と人々には深い結びつきがあるといえます。

    音の種類

    美しく、聞いていて心地良い音とそうでない音を区別する言葉として、楽音(がくおん、英: musical tone)と噪音(そうおん、英: unpitched sound)があります。また、英語で一括りに「noise」と表される音は、日本語では騒音(そうおん)と雑音(ざつおん)の2つに区別されます。

    楽音
    狭義には音高がはっきり認識できる音を指し、広義には音楽に用いられる音全般を指します。
    噪音
    狭義には楽音ではない音を指し、広義には騒音を指します。例えば人の歌声やピアノ・バイオリンなどの楽器の音は楽音であり、シンバルなど明瞭な音高を持たない打楽器の音は狭義の噪音であり広義の楽音となります。
    騒音
    望ましくない音。楽音であっても、聞き手が不快に感じたり、邪魔だと感じる音は騒音と呼ばれます。
    雑音
    振幅や周波数が不規則に変動する音のことです。ただし、自然科学や工学では音以外についても、有意な情報を含まず必要な信号を取り出す邪魔になる成分を雑音と呼びます。 例えば、風の音・波の音は雑音である。電車の走行音・物の壊れる音などは雑音でもあり騒音でもあります。